WHO(世界保健機関)によると、日本の医療保険制度は世界一と評価されています。なぜなら国民全員が、いつでも、どこでも安心して平等に医療が受けられる、とても優れた制度だからです。この制度が、世界一の長寿、世界一低い乳幼児死亡率の実現に大きく貢献しています。
◆日本の医療の3つの特徴
日本の医療には、3つの優れた点があります。
1. 国民皆保険体制:すべての国民がいずれかの公的な医療保険に加入し、誰もが平等に医療を受けられる制度(国民皆保険制度)が確立しています。
2. 現物給付方式:費用は保険組合などから医療機関に支払われる安定感ある方式を採用しているため、必要な医療がいつでも安い費用で受けられます。
3. フリーアクセス:いつでも、どこでも、誰でも自分が選択した医療機関で、医療を受けることができるフリーアクセスを採用しています(たとえばイギリスでは、原則として、居住地域の家庭医をまず受診しなければなりません)。
◆決して高くない日本の医療費
WHO(世界保健機関)によると日本の医療保険制度は世界一と評価されています。しかし、国内総生産に占める医療費の割合は、他の先進諸国に比べ、決して高くありません。
◆混合診療とは?
ひとつの病気に対し、保険診療と保険外診療(自費診療)を同時に行うことで、費用が混合することをいいます。政府は国の支出を減らすため、「混合診療」を導入して医療費負担(保険診療部分)を減らそうとしています。今後、混合診療が導入されると、保険で治療できる範囲が縮小し、残りの保険外診療は患者さんが全額自己負担しなければなりません。
つまり お金持ちだけが高度な医療を受けられ、お金のない人は高度な治療が受けられなくなるなど、貧富の差によって、受けられる治療にも差が出てくることになります。
医師会では、2004年秋、国民の皆様とともに、「混合診療」に反対する署名運動を行いました。結果、混合診療の全面解禁に歯止めをかけることができました。
私たちはこれからも世界一の日本の医療保険制度を守っていきます。