診療所と病院の違いは、名称の違いだけでなく、機能や役割が違います。
時間的にも無駄のない効率的な医療を受けるためにも、機能や役割の違いを知って、自分の病気・症状に合った医療機関を受診するようにしましょう。
◆診療所と病院の違い
診療所
○○医院、○○クリニック、○○内科、○○眼科などと表記されている。
入院設備がない、または入院ベッドが19床以下。
外来医療が中心。軽い病気か病院での入院治療や専門治療が必要な病気かを判断する機能を持つ。
病院
入院ベッドが20床以上。
入院医療が主体。救急医療や専門医療、高度医療などを専門とする大病院から、診療所のような機能を持つ小さな病院まで、様々な形態がある。
◆大病院志向の問題点
大きく分けて、診療所は外来、病院は入院という機能分担があるにもかかわらず、軽症の外来患者さんまでが大病院に行く傾向があり、様々な問題が起こっています。
・大病院の外来が大混雑:風邪などの軽症の患者さんまでが大病院に集中し、待ち時間が長いだけでなく、本当に高度で専門的な診療が必要な患者さんにまで影響しています。
・診療科が細分化:大病院は、高度医療が中心となっていますから、専門の診療科に細分化されており、何科を受診してよいかがわかりません。また、かかった診療科の専門外の病気であったり、近くの診療所で十分治療が可能な病気であったりなど、時間的にも無駄が生じる場合もあります。
◆医療機関の機能分担と連携
大病院志向の問題を解決するには、医療機関の機能を良く知り、上手に受診することが大切です。診療所と病院は、患者さんの診療・治療をスムーズにするために、相互連携を行っています。
診療所から病院へ
何か身体の症状に異変があった場合、まず近くの診療所(または小さな病院)のかかりつけ医に診てもらいましょう。診療所では診断の上、もし専門的な治療や入院が必要な場合には、適切な病院を紹介してくれます。
病院から診療所へ
病院での入院治療後、症状が安定し、外来や往診だけで済むようになった場合には、患者さん宅の近くの診療所を紹介したり、また患者さんのかかりつけ医に入院中の経過などを報告し、その後の対応をお願いするなどの連携を取っています。